明けまして、おめでとうございます。


(華やかな紅の振袖を着て、髪の毛をくくり上げて)

「謹んで新年のお慶びを申しあげます。本年も宜しくお願い致します。」

「・・・・ふ、白椿の皆様、ゆうはなの皆様、そして煌きの欠片。の皆様。」

「はっぴーにゅーいやー、ですわね!」

「叉夜の今年の抱負は、去年に引き続き、お友達を作ることと、きちんと制服で学校に登校することです。あ、高校生になってからですけれど・・・・」

「着物も何枚か集めたいですね。レトロなもの等。」

「新しいことにも、挑戦したいですー」

追記は新年の様子。


大晦日。

小判とふたり、ゆっくりとしていました。

猫になった小判を横目に、年越し蕎麦の準備をしたり、と。

リリリリリン、とやけに大きいレトロな黒電話が二人しかいない家に響き渡り。

不吉な予感はしたものの、電話を取りました。

滅多に鳴らない、電話を。

「・・・はい、緋乃で御座います。」

『ああ、お前か。』

重圧的な声。
血が繋がってるとは思えない、その無機質な。
 愛情の欠片も感じさせない雰囲気が、昔からわたしは苦手だった。

___どこか、他人の。見知らぬ男の人のようで。

「・・・今晩は。何か御用が御座いますのでしょうか?」

『お前、年末も帰ってこないつもりか』

_____・・・・何を、今更と、思った。

__________母を、わたしを省みなかった昔を見ようともせず。

___母が死んでも、お墓参りにも来ないのに。

「・・・・・結構です。わたくし、そちらには行けません。もう予定が入っていますので。」

フン、と鼻を鳴らす、高慢的な音がした。

『大した用でもあるまい。どうせくだらん学園だかなんだかの奴らとの予定か?そんなものよりこちらを優先するのが筋であろう』

・・・・・・・わたし。

・・・・・・・・・・・・・・・もう・・・・・・・・・・・・・・・・・・

我慢の限界みたいです。


「・・・・そんなもの?・・・・・くだらん?」

「貴方にわたくしの大切なものの価値が分かってたまるものですか。」

「どうして好きでもない、苦痛でしかない場所に好き好んで行くものですか。」

「今まで気にも掛けなかったのですから、どうぞ放っておいて下さい。」

「・・・・・行っても楽しくないです。ありがたみもなにも御座いませんので」

「失礼致します」

一方的に電話を切ると、除夜の鐘の鳴る音がした。

・・・・年越しが、こんな最低なものになるとは。

「・・・小判。明けましておめでとう・・・」

コタツで寝こける小判に呟くと、ひとりぽつんと夜空を見上げた。



「この年も、皆様に幸多からんことを・・・・」




【 2008/01/01 23:17 】

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